幸福になるために

丹羽宇一郎氏の著作「人生の価値は最後に決まる!」には、人間の本当の幸福は、仕事で上手くいくとか、 金持ちになるとかの物差しだけで測れるものではなく、 人生の最後に心安らかでいられることだと述べられています。

幸福とは何なのでしょうか。

心安らかな状態とは欲求が満たされている状態でしょう。

欲求には物質的なものと精神的なものがあります。

物質的な欲求は、食欲、金銭欲などで、身体を快適に維持したいと望む欲です。

精神的な欲求は、探究心、向上心、貢献欲などで、自分が成したいことを成し遂げたいと欲する心です。

人は生まれながらにして得意とする能力や生活環境を異にしており、欲求も個性に富んだものとなるのが必然です。

人生は就学期、就労期、老齢期の三つのステージに大きく区分できます。

人間は各ステージにおける身体・精神的な状態と社会的な役割が異なるので、欲求も各ステージに合ったものであるのが必然です。

このような条件を満たした各自の欲求に向かって順次目標を立て自らの力で目標達成したときに人は幸福を感じます。

就学期は学習欲が旺盛であるので、本人の興味を中心に学習欲を満足させて自ら学ぶ心を取得させることが周りに求められます。

本人が気付きにくい、人は何のためにどのように生きるかなどについても就学期に自ら学習して考えさせる環境を提供し誘導することが家庭や学校の務めです。

就労期は働いて自らが物質・精神的欲求を満たしながら社会に貢献する責任が生じます。

就労期ともなれば自分の欲求も確立してきますが、成したいことと働くために成すこととの乖離を埋める努力が必要なこともあります。

当初は成したいことと異なっていた働くために成すことも、努力による成功体験の繰り返しで成したいことに変わるでしょう。

成したいことへの思いが吹っ切れない場合は、休日に成したいことを追い求め、老齢期に熱中するとの割り切り方もあります。

老齢期は、身体・精神的に弱体化していますが、長年の経験を活かして今までできなかったが成したかったことを成したいことに設定し、これに向かって低い目標を順次立てて達成していくことに幸福を感じるのがよいと思います。

老齢期に入る実年令は個人差がありますが、老害にならないうちに成したいことを設定し直すのが幸せへの道でしょう。

自ら学ぶ楽しさ、成したい目標を達成する喜び、感謝や思いやりの心などを子供に教え、職場では成したいことを仕事上で実現し、退職後は就労期の蓄えで物質的に不安なく、やり残したことをマイペースで行える人生を成したいことの一つに設定する人が増えると日本人の幸福度も高くなるでしょう。

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