創造主は「無」の対極の「有」を永久に明示し続けるために宇宙を創造されたと想像します。
そして、人間の存在意義は、各自が多様な自己実現能力を発揮して目標を達成し、生きる喜びを創造主とともに共感することではないでしょうか。
人間は、生きる喜びで存在を強く現出するために、生存欲、生存するために必要な基礎的な判断基準と学習能力および集団で行動する集団脳、概念の世界を大脳内に構築して他人と共有する概念共有能力などの、謂わば、自己実現能力を生誕時に授かっていると思います。
そして、千差万別な生きる喜びを現出するために、自己実現能力は個人毎に生来異なり、生活環境、学習内容、年齢等よって様々な方向に成長し変化するのでしょう。
ロシアの暴挙、中国の独善、独裁国家の増加、核兵器への依存、地球温暖化、格差拡大など人類にとって極めて深刻な問題が地球規模で起こっており、人間は、創造主の意図に反し、その存在意義を薄弱にし、延いては生存を危うくしているように感じます。
例えば、訳ありげな価値観の実現を目標に掲げて自己保全のために侵略行為を行なう独裁者と国家権力は、平穏な市井生活を犠牲にし、人間の生きる喜びを悲しみに暗転しています。
独裁者に惑わされた国民の一部は、自己実現能力を放棄して衆愚に転落しています。
独裁者と国家権力および衆愚だけでなく、権力を自己実現の目標に設定する権力志向者、産業革命後に高度に発達した物質文化を貪欲に追い求める一般市民も、各自に適した目標を達成して歓喜する人生の意義を問い直す必要があると思います。
自己実現能力は、正しい教育によって適正に発達し、各自に適した目標を達成可能にし、生きる喜びを実現します。
反面、自己実現能力は存在を強く現出するための能力ですので、教育を誤ると利己心、権力志向、自己顕示欲、自己保全の過大なものになります。
科学、産業、政治、芸術あるいは運動などの各分野で自己表現能力の高い人は、能力を活かして多くの人々や各分野のために貢献することで大きい喜びを実感することができるでしょう。
このように、権力は社会が社会に貢献した者にさらなる貢献を期待して与える手段であって、個人が自己実現能力を発揮するために設定する目標にはふさわしくありません。
権力志向や物質文化を偏重する風潮が、現在地球規模で起こっている深刻な問題の温床になっている気がします。
例えば、平穏な市井生活、ゴミのない社会を目指すボランティア活動などは、自分の能力を発揮するための立派な目標であると思います。
創造主は「無」の対極の「有」を永久に明示し続けるために、人間が生きる喜びを創造主とともに共感することを期待して、宇宙に人間を存在させたと想像します。
人間が生きる喜びを永久に現出するためには、自ら生存を危うくするようなことがあってはなりません。
各自が多様な自己実現能力を発揮するために設定する様々な目標は、永久に続く営みにおいては同程度の意義を持つでしょう。
しかし、各自の人生は有限ですので、自己実現能力の高い若者には、人間の多様性と、精神文化を尊重する教育を十分行なった上で、自己の能力にふさわしい高い目標を設定するように励ましたいと思います。