人間に働く生命体法則の方向性

人間は時々の行動を、
その意思決定能力を使い、自分の価値観に基づき、

倫理観、社会規範・通念などを参酌し、
複数の選択肢の中から選択することを繰り返し生き続けています。

この選択が生命体法則に則ったものであるとき、
生き生きと行動し、生存の持続への参与を実感します。

生命体法則の方向性は、
生命体が「存在の持続」をより確実にする方向へと
選択・行動・深化することであります。

生命体法則は、
生命体の性状や進化段階に応じて

階層的に現れ方が異なり、
次のような階層構成として現れます。

1 生命体全般に働く生命体法則

すべての生命体に共通する
「存在の持続」を実現する基本法則で、
生存、繁殖、適応です。

2 植物に働く生命体法則

固着性に対応し光合成など、
環境に適応しながら存在を持続します。

3 動物に働く生命体法則

感覚や運動、捕食など、
行動によって存在を持続します。

4 人間に働く生命体法則

人間は自分の存在を自覚し、
意思決定能力によって自らの行動を選択し
「存在の持続」に参与します。

また、人間は、動物でもあるので、
意志決定能力による選択が
動物に働く生命体法則にも則っている必要があります。

その選択が動物に働く生命体法則から乖離せず、
それを拡張・深化するものであれば、
神的存在の内在的方向性と整合します。

一方で、動物に働く生命体法則から乖離し、それを損なうものであれば、
生存および繁殖の基盤を弱体化させ、
長期的には存在の持続を低下させます。

従って、人間に働く生命体法則は、
意志決定能力に、その選択が存在の持続に資するか否か
判断する力も与えています。

学校や社会でのいじめ問題、
世界各地での貧富の差の拡大、戦争の頻発を見るとき、

現代社会での価値観、倫理観、社会規範・通念などの中に
生命体法則から乖離する部分があるような気がします。

例えば、動物におけるいじめに似た攻撃や排除は、
存在を持続させるために、秩序を維持するという機能を持ちます。

しかし、人間におけるいじめは、
知性と社会構造によって歪められた価値観に基づくもので、
生命体法則から乖離し、存在の持続を弱体化させます。

貧富の差の拡大、戦争の頻発なども、
人間の意思決定能力が、存在の持続に沿わない社会の価値観や倫理観などに惑わされ判断を誤った結果として理解できます。

今後、存在の持続に沿わない社会の価値観や倫理観などを検討したいと考えています。

意志決定能力

人間は生命体法則に従って、
自分の存在を自覚する生命体に進化しました。

すなわち人間は、存在を自分自身のこととして認識し、
その存在の持続を実現しようとする存在です。

存在の持続を実現するためには、複数の選択肢の中から、
目的や価値に基づいて行動を選ぶ意思決定能力が必要です。

そこで人間は自分の選択を自覚し、評価し、修正できる
意志決定能力を取得しました。

この意志決定能力は、人間に存在の持続を深化し多様で活性化した姿で
実現することを可能にしました。

反面、人は生命体法則に反する選択肢を選ぶ自由も手に入れました。

これにより、生命体法則において「存在の持続」を人が実現するために備わった心理状態や欲望も、意思決定能力が誤った方向に発露すると、キリスト教で戒められる七つの大罪へと変貌します。

人が「存在の持続」を実現するために必要でありながら、意思決定能力が方向を誤ると七つの大罪へと変貌するおそれのある心理状態や欲望は、

自信、競争、積極、休息、所有欲、食欲、性欲です。

意思決定能力が、これらの心理状態や欲望を誤った方向に発露させたときに生じる七つの大罪は、

傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲です。

例えば、練習成果を熱心に自信に満ちて発表すると観衆と喜びを共有できます。
しかし、聴かせてやると言わんばかりに傲慢に発表すると不快を呼びます。

互いに競争して切磋琢磨すると、人は成長し深化します。
自分が負けることを許せず嫉妬すると、劣等感などが強くなり、精神的な安定を失いやすくなります。

日曜日にゆっくり休息することは明日への意欲に繋がります。
日曜日に怠惰をむさぼると明日も休みたくなります。

競技において、積極的な激しい攻撃が勝利につながる場合が多いです。
しかし、自分の思い通りにならないことへの憤怒から激しい攻撃をすると、敗北につながることが多いです。

人は所有欲を満たすために働き、富を得て安定した生活を送ることができます。
強欲は、富や物を必要以上に求め続け、不正や搾取につながります。

生命体の身体を維持するために食欲は不可欠です。
暴食は欲に駆られた食欲で、身体の破壊につながります。

人は、子孫を残し「存在の持続」を実現するために性欲を持っています。
しかし、性欲は快楽を目的として過度に追い求めると色欲になります。

このように、人は、さまざまな選択肢の中から生命体法則に則ったものを選ばなければ、「存在の持続」に参与することができず、生きる喜びも実感することができない存在です。

皆を幸せにする世論

近年、ドナルド トランプ、習近平、ウラジミール プーチンらに象徴される「強いリーダー像」が世界政治の前面に立っています。

そこでは、制度的抑制よりも個人の決断力が強調され、熟議よりも即断が、複雑な問題の調整よりも単純な対立軸が前景化しやすくなっています。

その影響は政治領域にとどまらず、長い年月を経て培われてきた文化的慣習や倫理観の軽視というかたちでも現れています。

一般に、個人が大望を成就するためには、完成した姿を具体的に描き、その目的を見失わないことが重要だと言われています。

同様に、社会の進む方向もまた、無数の個人が抱く目的の総和――いわば世論の向かう先――によって形づくられます。

多くの個人が抱く目的が人類の滅亡に向かうものであれば、世論の向かう先もまた、滅亡へと傾くでしょう。

したがって、各人の目的の多様性を尊重しながらも、その方向性を緩やかに制約する何らかの基準が必要になります。

その基準が、単なる経験の積み重ねにのみ依拠するならば、時代の空気や多数派の感情によって容易に揺らぎます。

ゆえに、その基準は経験主義を超えた、より根源的な説明に支えられるものであることが望まれます。

それは、言わば「超自然的法則」と呼びうるものです。

次回は、この超自然的法則について、さらに詳しく考えてみたいと思います。

エネルギーと法則を内包する神的存在

ここで登場するのが神的存在で、
エネルギーと自然法則および生命体法則を内包し、

「無」に対峙して「存在の持続」を実現しています。
 
この神的存在は、「存在の持続」をより深化した構造で実現しようとする
内在的方向性も有します。

生命体は、生命体法則に従って複雑化、多様化し、
「存在の持続」に参与し、それを安定化させます。

特に人間は、高度・複雑化し、生命体法則を自覚するだけでなく、
自ら意思決定する能力を与えられました。

人は自分に適した目的をこの意思決定能力で設定し追求することで、
より大きい喜びを感じます。

これによって「存在の持続」に深く参与し、それを活性化、強化します。

ところが、意思決定能力は、
生命体法則に大きい矛盾を内在させることになりました。

たとえば、自分の成したいことを成すという生命体法則を誤解し、
利己的な目的達成のために他人を利用する利己主義者が現れました。

また、人間は、協力するために集団を作るという生命体法則に反し、
利害で集団化し、集団間で争っています。

人は存在の持続のために世代をつなぎますが、
欲情のためにエプスタイン事件や盗撮事件を起こします。

このような行動は、「存在の持続」に参与するものでなく、
むしろ消滅の可能性を増大します。

人は内なる生命体法則に静かに耳を傾け、
歴史や社会規範を帰納法的に精査、検討し、

生命体法則に従って生きることで不安や迷いを抱くことなく、
強い自己肯定感を持って生き生きと活動することができます。

これによって、
生命体法則に内在させることとなった矛盾を解消することができ、
「存在の持続」を安定化することができます。

これは、「存在の持続」をより深化した構造で実現しようとする
神的存在の内在的方向性に沿うものとなります。

多くの人が死亡し都市を破壊する戦争は避けたいという
生命体法則に反する武力紛争は、「存在の持続」を弱体化します。

ところが、神的存在が開戦指示者を死亡させるようなことはできません。
神的存在が生命体法則で人間に意思決定能力を与えたからです。

戦争は避けたいという生命体法則をより多くの人が神的存在と共有し、
戦争反対を強く念じ意思表示することで、

各国民の戦争に反対する生命体法則が共鳴し、
戦争防止に大きく貢献できると信じます。

「存在の持続」をめぐる法則ーー生命体はなぜ生まれたのか

自然法則と生命体法則

自然法則とは、物質の「存在の持続」に関する根本的な情報です。

星が生まれ、元素が結びつき、宇宙が構造を保つ。
それらはすべて、エネルギーが自然法則に従って物質へと転換し、秩序を形成した結果です。

宇宙は無秩序ではありません。
法則に従い、構造を保ちながら持続しています。

しかし生命体には、もう一段深い「存在の持続」があります。

それは単なる物質の安定ではありません。
自己を維持し、継承し、変化し続ける持続です。

この階層的深化を、ここでは「生命体法則」と呼びます。

自然法則は物質と生命体に作用し  
 生命体法則は生命体に作用する

科学が明らかにしてきたこと

生命体の材料であるアミノ酸や脂質は、炭素や水素などの無機分子から
自然エネルギーによって生成され得ることが示されています。

その代表例が、
ミラー・ユーリーの実験です。

さらに科学は、

・脂質膜による区画化
・自己複製可能な情報分子
・エネルギー変換を行う代謝ネットワーク

が相互に結びつくことで、自己維持と継承が可能になった状態を
「生命」と説明します。

ここまでは、自然法則の枠内で理解できます。

それでも残る問い

しかし、なお問いは残ります。

特定の分子配列が選ばれ、自己複製が安定し、偶然と選別が繰り返された結果、
主体性や意図性をもつ細胞が生まれた。

この説明は十分でしょうか。

物理化学的相互作用は確かに必要条件であります。

だが、
なぜ「その構造」が選ばれ続けるのか
なぜ持続は複雑化へ向かう傾向を持つのか

という方向性そのものは、なお開かれた問いです。

生命体法則という視点

ここで想定されるのが、

生命体の「存在の持続」に関わる情報的秩序原理
――「生命体法則」です。

これは自然法則と対立するものではありません。
むしろ自然法則が可能にした物質的秩序の内部から現れる、
自己維持と深化へ向かう持続原理です。

物質の持続が「構造の安定」だとすれば、
生命体の持続は「自己の維持と更新」です。

生命体は、物質的身体を通して、
この階層的法則を具体化する存在であります。

進化の流れをどう見るか

植物は光を固定し、環境を変え、持続の基盤を拡張しました。
動物は運動と感覚を獲得し、協調という持続の形を生みました。
そして人間は、「存在の持続」を自覚する存在として現れました。

人は、自分に適した目的を追求する過程に喜びを感じます。

それは単なる快楽ではなく、
存在の持続に参与しているという感覚ではないでしょうか。

存在の持続だけではない

しかし生命体法則は、
単に「存在が持続すればよい」としているわけではないように見えます。

そこには、

・存在の深まり
・多様性の拡張
・主体的な参与

といった方向が含まれています。

生命体法則とは、
生命体が自らをより豊かにしながら存在を持続しようとする
深化と多様化の方向性を示す原理なのかもしれません。

次回は、この生命体の「存在の持続」における
深まりと多様性の意味について考えてみたいと考えています。