岸田首相は、「新しい資本主義で中間層を分厚くする。」を政権公約の一つにしました。
米民主党のハリス大統領候補は、中間層底上げを経済政策の柱に掲げました。
中間層は大雑把に定義すると、所得が一定の範囲にある人々の集団で、所得水準が富裕層と貧困層との中間に位置します。
OECD全体での中間層の人口割合は約61%であります。
ちなみに1位はアイスランドで約72%、日本は35カ国中14位で約65%、アメリカは下から3番目で約50%です。
独裁国家の中国では約40%,ロシアでは約35%です。
世界一の人口を擁する発展途上国のインドでは約33%です。
トランプを支持する共和党員の姿を見ていると、米国で中間層の割合が減少している悲劇を窺い知ることが出来ます。
統計学的に言えば、母集団の中間部分の要素の性状が母集団の本質を示す場合が多いです。
人格形成と暮らしぶりとは強く影響し合うので、人口比率が最大の中間層の性状が人類の本質を示すと考えてもよいでしょう。
しかし、独裁国家では、中間層の思想・行動は、教育や国家権力によって規制されるので、独裁国家の中間層の性状は人類の本質の歪んだものになります。
インドでの中間層の人口比率がインド経済の発展によって増大することは、独裁者に性状を毒されていない中間層の世界での人口比率の増大をもたらします。
これにより人類の本質を発揮して生きる人々の影響力が増し、戦争の抑止、世界の平和、人類の幸福に繋がると思います。
中間層の性状は、普通の才能を持つ人が、他人を助け助けられながら自分の成したいことを努力して成し遂げたことに喜びを感じる現役中間層が持つ平凡な欲望、性状ではないでしょうか。
富裕層の性状は、一概には言えませんが、特異な才能や環境に恵まれた人の若干自己中心的な傾向があるような気がします。
多くの富裕層が互助精神を発揮して貧困層に富を配分して欲しいものです。
貧困層の性状は、さまざまな性状が混在していて一様ではありませんが、恵まれない環境下で形成された社会への適応性が低い傾向がある気がします。
人々の協力を得ながら恵まれない環境を克服し貧困層から脱出することが望まれます。
中間層の性状を持つ人々は、現在どの層に属するかに拘わらず、中間層の性状こそ人類の本質であるとの認識と自信を持って、自分の成したいことに挑戦したいものです。 さらに政治に積極的に参画して中間層に有利な政策を実現し、延いては発展途上国や独裁体制下の中間層に働きかけて自由体制下の中間層の影響力を増大し、より多くの人々が自分の性状を活かして生き生きと生活できる社会を世界に拡散することが求められています。