「存在の持続」をめぐる法則ーー生命体はなぜ生まれたのか

自然法則と生命体法則

自然法則とは、物質の「存在の持続」に関する根本的な情報です。

星が生まれ、元素が結びつき、宇宙が構造を保つ。
それらはすべて、エネルギーが自然法則に従って物質へと転換し、秩序を形成した結果です。

宇宙は無秩序ではありません。
法則に従い、構造を保ちながら持続しています。

しかし生命体には、もう一段深い「存在の持続」があります。

それは単なる物質の安定ではありません。
自己を維持し、継承し、変化し続ける持続です。

この階層的深化を、ここでは「生命体法則」と呼びます。

自然法則は物質と生命体に作用し  
 生命体法則は生命体に作用する

科学が明らかにしてきたこと

生命体の材料であるアミノ酸や脂質は、炭素や水素などの無機分子から
自然エネルギーによって生成され得ることが示されています。

その代表例が、
ミラー・ユーリーの実験です。

さらに科学は、

・脂質膜による区画化
・自己複製可能な情報分子
・エネルギー変換を行う代謝ネットワーク

が相互に結びつくことで、自己維持と継承が可能になった状態を
「生命」と説明します。

ここまでは、自然法則の枠内で理解できます。

それでも残る問い

しかし、なお問いは残ります。

特定の分子配列が選ばれ、自己複製が安定し、偶然と選別が繰り返された結果、
主体性や意図性をもつ細胞が生まれた。

この説明は十分でしょうか。

物理化学的相互作用は確かに必要条件であります。

だが、
なぜ「その構造」が選ばれ続けるのか
なぜ持続は複雑化へ向かう傾向を持つのか

という方向性そのものは、なお開かれた問いです。

生命体法則という視点

ここで想定されるのが、

生命体の「存在の持続」に関わる情報的秩序原理
――「生命体法則」です。

これは自然法則と対立するものではありません。
むしろ自然法則が可能にした物質的秩序の内部から現れる、
自己維持と深化へ向かう持続原理です。

物質の持続が「構造の安定」だとすれば、
生命体の持続は「自己の維持と更新」です。

生命体は、物質的身体を通して、
この階層的法則を具体化する存在であります。

進化の流れをどう見るか

植物は光を固定し、環境を変え、持続の基盤を拡張しました。
動物は運動と感覚を獲得し、協調という持続の形を生みました。
そして人間は、「存在の持続」を自覚する存在として現れました。

人は、自分に適した目的を追求する過程に喜びを感じます。

それは単なる快楽ではなく、
存在の持続に参与しているという感覚ではないでしょうか。

存在の持続だけではない

しかし生命体法則は、
単に「存在が持続すればよい」としているわけではないように見えます。

そこには、

・存在の深まり
・多様性の拡張
・主体的な参与

といった方向が含まれています。

生命体法則とは、
生命体が自らをより豊かにしながら存在を持続しようとする
深化と多様化の方向性を示す原理なのかもしれません。

次回は、この生命体の「存在の持続」における
深まりと多様性の意味について考えてみたいと考えています。

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